郷土史研究37

どうも荒川鯉師です。
毎日暑いですね〜。そんな暑い中に必要なのは『怪談』ですよね。
さて志木市に伝わる怪談『アチーチー伝説』を紹介しましょう。それではどうぞ。

アチーチー伝説

昔、引又宿(現本町)のとある肥料屋へ長年溜めていた借金の支払いを済ませた水子村(現富士見市水子)の『吾兵衛』と言う男は、ホッとして、帰り道の酒屋で茶碗酒を楽しんだ。
そうするうちに夜も遅くになったので、店主が提灯を貸した。吾兵衛は提燈の明かりを頼りに雨の中をフラフラと千鳥足で帰り道である水子道へと来たが、道のくぼみに足をとられた拍子に提燈の火が提燈に移り燃え出た。しまいには着ていた油紙の合羽に燃え移った。
全身を火に包まれまさに『火達磨』となった吾兵衛は、アチチー、アチチーと悶え苦しみながら焼け死んだのである。
その後、近所の家で悪事や夜中に突然「熱いよぉ熱いよぉ」と声が聞こえるなどよくない事が続くので、宮戸(現朝霞市宮戸)の稲荷様に拝んでもらったところ、ここで火死した『吾兵衛のたたり』だと言うので、近隣の住民達の手で手厚く供養したら、その後は、たたりらしきものは一切起きなかったという。