今週のお題「夏に聞きたい、怖い話」

どうも荒川鯉師です。
先輩の母親が実際に経験した話です。
ある秋口の夜の事。車で秩父方面から正丸峠を通って地元に帰ろうとした所、目の前の岩の上に人がいたと運転手が言いました。しかし助手席に乗っていた人にはそれは見えなかったと言いました。
さらに車を進めるとまた人影が見えたと運転手が言いました。しかし助手席の人はそんな人は居なかったと運転手に言ったその時、運転手側の窓に顔面蒼白の男性が並走していたのです。
助手席の人は叫んだその時、運転手が金縛りに遭い操作不能となってしまいました。代わりに無免許の助手席の人が横でハンドルを動かし車をガードレールに擦りながら危機を乗り越えていました。その間にも並走する男性は無表情のままいました。
ようやく正丸峠を抜けるかと言う所で安堵した瞬間、車の窓と言う窓が赤い手形で埋め尽くされてしまい前方が見えなくなってしまいました。
助手席の人は更にパニックに陥りもう駄目かと思った時、運転手が「ハ…ハンドブレーキ…横にある…斜めの棒を引け…」と声を振り絞り助手席の人はハンドブレーキを引き、下に顔をうずめ暫く経ってから顔を上げると、そこには男性も手形も全て無くなっていました。
その後近隣の住民が警察に通報したのか、パトカーが駆けつけ事の経緯を説明したが、信じてもらえず運転手の気絶による物損事故として片付けられてしまったそうです。
何も残さず、ただ残ったのは長距離に渡ってのガードレール・標識破損と廃車になった車だけでした。ですので、真夜中の正丸峠は大変危険です。