出雲御国紀行10

どうも荒川鯉師です。
さて今回も出雲大社境内を紹介致します。出雲大社を重点的に紹介するのはそれだけ出雲大社がスゴイのだと言う事を悟っていただければ幸いです。
と言う訳で今回は出雲大社本殿』を紹介致します。それではどうぞ。

出雲大社本殿

出雲大社の本殿は『大社造』と言う形式の本殿である。研究家などが神社建築の形式を分類する際、屋根の形や入口の場所が手掛かりとなります。大社造は切妻屋根であり、妻入と言う形式です。また、古来より大社造の社殿は大きいものが多い点も特徴の一つです。
平面構成は、正面二間・側面二間の正方形であり、正面と背面の中央にある宇豆柱(うずばしら)が棟木を支え、中心には心御柱(しんのみはしら)が建ちます。正面中央に柱がある為、入口は右側に寄せて設けられます。
建物内部に入ると、目の前に一間幅の壁が立ちふさがっています。この事から丁度、逆コの字型の部屋割り構成と言えます。本殿内最奥にお祀りされた御神座に達するには、この壁を迂回しなければなりません。この様な神社建築様式を取る事が出来るのも、出雲大社の本殿が大きい為と言えるでしょう。この出雲地方には、大社造の神社が他にも見られますが、他地域では見ることはありません。また、本殿の天井には、七つ書かれた雲『八雲』が描かれています。なぜ七つしか書かれていないのかはまだ判明しておりませんが、八つ目が描かれた時、この世の終わりの始まりが起きると言われています。
現在の本殿は1744(延享元)年の再建ですが現在、平成の大遷宮として清水建設『国宝出雲大社本殿ほか22棟建造物保存修理事業建築工事』を行っており、2013(平成25)年3月に竣工し、同年5月に本殿遷座祭が行われる予定です。
神社の棟に乗る物体は『千木・堅魚木(勝男木・鰹木)』と呼ばれるもので、棟の先端に伸びる棒状のものが千木であり、元々は屋根の構造材を交差させ、その先端が残ったものと言われています。現在では、伊勢神宮内宮の様に、古の神社建築を継承する千木を『千木』と言い、出雲大社の様に、神社のシンボルマークとして残してあるのは『置千木』と言います。また、千木の切り方に違いがあるが、内削ぎは女神を外削ぎは男神を祀っている目印とされています。また、堅魚木(勝男木)は元々、棟を押さえる役目であったと言われていましたが、現在では神社の格を表すものと言われています。

—参考資料—
・よくわかる 日本建築の見方(中川武 監修)
清水建設第3回 国宝出雲大社保存修理事業