長野諏訪地方巡拝紀行-6

どうも荒川鯉師です。
最終日の12月30日、ホテルを出てまず向かったのは御神渡りを認める事が出来る唯一の神社『八剱神社』を紹介します。それではどうぞ。

八剱神社


御祭神は八千矛神日本武尊誉田別尊の三柱を祀る。諏訪大社上社の摂社でもある。
古くは、諏訪湖中高島の地に鎮座していたが、豊臣秀吉が高島城築城の折用地に入った為、現在の地に遷座した。
江戸時代には高島藩諏訪家が居城鎮護の神として厚く崇敬し、明治以降は小和田村の産土神として多くの氏子衆からの信仰を集め現在に至っている。
特殊神事として、御渡神事がある。『御渡り拝観の神事』として全国的に知られているこの神事は、当社の神職によって行われる。
諏訪湖御神渡りと思われる現象が確認されると、八剱神社で臨時の総代会を開き、拝観式の日程を決める。その後、宮司以下神職、および氏子総代は、自宅の門戸に注連縄を張り、精進潔斎に入る。拝観式当日は、まず社殿で修祓を行い、諏訪湖へ向かう。現地では湖周を周り、一之御渡・二之御渡・佐久之御渡を拝観して下座と上座の湖岸地点の検分を行なう。そして、社殿へ戻り、御渡の状況を祭神へ報告する『奉告祭』が行われる。そこで初めて御神渡りが認定される。
引き続き、その渡り方により当年の農作物の作柄、世の中の吉凶、気候等の年占が行われる。御渡の状況と年占の結果は『注進状』と言う書状に纏められ、後日、宮司と氏子総代が諏訪大社上社へ出向いて『御渡注進式』を行い、神前に捧げられる。これを受けて諏訪大社は、この内容を宮内庁気象庁へ報告する恒例となっている。

なお、『奉告祭』『注進式』は御渡の観測されない年でも行われ、『御渡は無かった』旨の報告がなされる。特に、御渡の無かった年の諏訪湖『明けの海』と呼ばれる。