年末に出くわした出来事

どうも荒川鯉師です。
長野諏訪紀行の帰りであった2014年12月30日に発生した中央自動車道交通事故による路上での様子を紹介します。
15時前に中央自動車道諏訪I.Cから乗り、一路埼玉県へ帰宅を目指したが、16時45分頃に談合坂S.Aへ入場し、17時15分頃にS.Aを出発し1Kmを走らない内に前方の3車線全てにハザードランプを焚いた車がおり、その前方も渋滞していないのになぜ停車しているのだろうと不思議に思いながらも、ハザードを焚いて停車した。前方の車からわずかに見える範囲で確認した所、軽トラックと普通自動車数台が停車しており、単なる交通事故だろうと考えていたが、そこからが地獄の始まりだった。路側帯を走る緊急車両の数々。不思議に思ったのが、単なる交通事故にしては覆面パトカーが多すぎるし、停まっていた車にしては救急車の数が極端に少なかった。

停車してから2時間は経っただろうか。隣に新宿行の高速バスが停まっていたが、そこに集まり始める人の数々。それはトイレの借用だった。この高速道路上ではトイレなんて無い。男性ならともかく、女性は死活問題である。私も車内にじっとしてられず、外に出て軽く体操して過ぎる時間を過ごした。その間にも高速バスにはトイレの列が出来始めていた。路上難民とはこの事だろう。
人伝いに聞いた話では最初、車両火災と聞いていたが何か様子が違うと考えていたが、次に聞いた話は、路上に人が居て車が次々に刎ねて行ったと言うものだった。人伝いの話だと、ここまで話が違うものかと改めて風評・デマの恐ろしさを身をもって知った。
22時前だったか後だったか覚えていないが、中日本高速の方々が簡易トイレを配って回っていた。水も欲しかったが配っていなかった。もしこれが真夏だったらと思うと、救急車何台必要になるか分からなかった。
こんな中で奇跡と言うか偶然と言うか…諏訪で寄った最後のコンビニでなぜか私はスルメイカを買っていたのである。普段は車でスルメなんて買わないのに、なぜかこの時は購入した。おかげで空腹は逃れる事が出来た。虫の知らせと言うか、こんな偶然ってあるのかと驚いた場面であった。
ハザードを焚いてから5時間30分が経過した22時30分、いよいよ警察が路上難民に対して対策を打ち出した。それは高速道路を逆走して談合坂S.Aに避難させるとの事であった。ここまで過程に対して山梨県警中日本高速道路に文句の一つや二つも言いたいが、そこはグッと堪え引き返す順番を待った。
しかし待てど暮せど順番が回って来ない。後方を見ると永遠と続くナウシカに出て来るオウムの群れの様に続く赤いテールランプの列。これはどう言う事かと普段あまり信用しないtwitterで調べてみると…『覆パトが言っていた談合坂SAの件ですが、車両が満杯になったので入場が中断しました。』とのツイートが。まぁ元々6時間も通行止めになっていれば、後続車両が入って行く事は明らかだったのに、警察の言う事を真に受けた自分が愚かだったと言うか、今普通に考えればわかる事なだけに、怒りと言うよりも情報を上手く捌けなかった自分が悔しかった。諏訪で満タンに入れたガソリンも2/3となり、もし入れて無かったら…と思うとゾッとした。
寝ては起きて寝ては起きて気付けば23時50分を回っていた。そんなに時間は経過していないのに驚き、事故の状況を見に第一線へ歩きを進めると、まだ見分をしていた。今まで何をしていたのか不思議に思ったが、しばらく見ていると東京方から追い越し車線にパイロンを並べていた。まさか何も言わないで規制を解除しないだろうと勘ぐっていたら、警官数人が笛を鳴らし赤色誘導灯を横に振り、規制を解除したのである。日付が回った0時32分の出来事である。私は走って車に戻った。途中こちらに向かって来る人に「規制が解除されたから戻れ!」と促し本来警察が行う仕事を途中まで私と他数人で行った。自分はしていないが、他の方が車内で寝ている人を起こして回っていたのを記憶している。この場ではあるが、あの時協力してくれた皆さまありがとうございました。その数分後、覆面パトカーが逆走して行ったので、おそらく規制解除の報告をしに行ったのだろう。
その後は、走行車線を走っていたが、追い越し車線をものすごいスピードで通過していく車を見て「おいおい危ないだろ。」と思っていたが、やはり8時間も路上で缶詰にされていたからと思うと、同じ境遇にあった自分にとって同情の余地はあった。
規制解除すぐに藤野P.Aに入った。やることは当然トイレである。後続車が次々に入場してくるので、済ませて足早に退場する。
八王子JCTから首都圏中央連絡自動車道に入場し、鶴ヶ島JCTから関越自動車道に入場、所沢I.Cに着いた時にはすでに2時近くなっていた。その時料金所の人が「あぁ…お疲れ様でした。」と声を掛けてくれた。「いやぁ…本当に大変でした。」と交わしそのまま実家の志木へ帰宅。家に着いた時には2時15分頃になっており、埼玉県北部に住む友人には大変申し訳ない事をしたな…と。
(以降、自己責任にて閲覧)
さて、ここまで話して来たが、一番不満と言うか不思議に思ったのは「警察の対応」の一言に尽きると思います。鉄道の人身事故でも駅速報で「ただいまケガ人を収容し、警察が見分を行っております。運転再開には○○時○○分頃を予定しております。」などの経過を知らせているがそれが何も無かった。確かに距離や人数レベルから見ても相当なものがあるが、ならばHPやハイウェイラジオで情報を開示するべきだったと思う。あそこにいる人は全員が車持ちであり、ハイウェイラジオは聞ける環境であったのは確かである。やはり今考えてもラジオ環境等のハード面が整っているのにそれを放送するソフト面に欠陥があったと言わざるを得ないと言えます。
それでは、翌日発表された新聞記事を紹介して終わりにしたいと思います。

交通事故:中央道で男性はねられ死亡 8時間通行止め
30日午後5時15分ごろ、山梨県上野原市中央自動車道上り線の上野原インターチェンジ(IC)付近で、路上にいた男性が普通乗用車計5台にはねられるなどし、間もなく死亡が確認された。この影響で、上り線の大月IC〜上野原IC間が31日未明までの約8時間半、通行止めになった。
県警高速隊によると、男性は走行中の乗用車にはね飛ばされたあと、別の乗用車にひかれるなどした。付近の路肩に山梨ナンバーの軽トラックが止まっていたといい、同隊は男性が運転していたとみて調べている。日本道路交通情報センターによると、大月ICを先頭に最大約6キロにわたり渋滞した。

【出典:毎日新聞 2014年12月31日付】